(右から)岸田文雄首相総裁、麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長による自民党「トロイカ体制」に不協和音が生じている[2024年1月26日、国会内にて](C)時事

 1月26日に開会した第213通常国会は異例な形でのスタートとなった。

 普段なら最初に総理大臣が今年1年の施政方針演説を行い、与野党の代表がそれに対して質問する論戦から始まる。しかし今国会では施政方針演説の前に衆参の予算委員会での集中審議が行われた。なぜか。言うまでもなく、去年の暮れから年明けにかけて永田町を席巻した、自民党安倍派をはじめとする派閥パーティーの裏金事件に対する説明を野党側が強く求め、岸田文雄総理や自民党側としても無下にできなかったからだ。

“自ら身を処せ”迫る茂木幹事長に安倍派幹部が反発

「党の役職停止ではすみませんよ。しっかりと出処進退を考えて欲しい」

 今月19日に安倍派が解散を決めたその直後、自民党の茂木敏充幹事長は安倍派座長の塩谷立衆院議員に対して、派閥幹部の責任について自分たちで決めろと迫った。

 萩生田光一前政調会長の2728万円を筆頭に、安倍派では“5人衆”と呼ばれる幹部らが多額のキックバック等を政治資金収支報告書に記載していなかったことが判明した(萩生田氏以外の5人衆の不記載の金額は、世耕弘成前参院幹事長1542万円、松野博一前官房長官1051万円、高木毅前国会対策委員長1019万円、西村康稔前経済産業大臣100万円)。党内からはこうした安倍派幹部への厳しい処分を求める声が高まっている。

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