新たに明らかになったカカオの歴史は、アメリカ大陸先住民の文化同士が長距離にわたり密接に交流していたことを示唆している (C)REUTERS/Kim Kyung-Hoon

[ワシントン発/ロイター]研究チームは陶器に残ったカカオの痕跡から、カカオが5000年以上前にエクアドルで初めて栽培化され、交易ルートを通じて急速に広がるまでの経緯を明らかにした。カカオは、南米の太平洋岸の北西側まで広がり、次第に中米に到達し、1500年後にメキシコに到達した。

 今日のチョコレートは、テオブロマ・カカオという熱帯常緑樹の楕円形の実の種(カカオ豆)から作られている。カカオ豆は焙煎され、ココアやさまざまなチョコレート製品へと姿を変えていく。古代では、飲み物や食事の材料として消費された。

 研究チームは、約6000年にわたる先コロンブス期の陶器300点以上を調査。陶器は古代の文化の芸術性を表し、擬人的なデザインが含まれていた。陶器からは、カカオのDNAやカカオに関連する3種類の化学物質を探した。調査した化学物質の中にはカフェインも含まれる。その結果、陶器の約30%からカカオの痕跡が見つかった。この発見は、古代文化の間でカカオ由来の製品が、以前考えられていたよりも広く使われていたことを示している。

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