UNRWAへの資金提供の再開をめぐる世界的な「思想戦」
2024年3月27日
ガザ危機をめぐるニュースで、「UNRWA」が、しばしば登場するようになった。イスラエル政府が、UNRWA(国連パレスチナ難民救済事業機関)の職員が10月7日のハマスのテロ攻撃に参加していたと糾弾したことを受けて、主要なUNRWAへの資金提供国が、資金提供の停止を宣言し、UNRWAの活動が停止に追い込まれる危機が訪れたのだ。しかしその後、イスラエル政府が糾弾の根拠となる証拠を何ら提示していないことが明らかになり、それどころかUNRWA職員を拘束して虚偽の自白を強要させていたという疑惑も高まるに至り、各国は資金提供の再開を始めるようになってきている。
日本も欧米の主要な他のドナー国にならって、資金提供を停止した。ただしUNRWA事務局長の3月末の訪日を待って、4月初旬には資金提供を再開する、と報道されている。旅費を使って日本まで説明しに来てもらう儀式をへれば、懸念は解消したことになる、ということなのか。この間の外交当局の思考の経過は、必ずしも明らかになっていない。
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