米国の支援法案成立と並行してロシアで起きた不可解な事件が、セルゲイ・ショイグ国防相の腹心であるティムール・イワノフ国防次官の逮捕劇だった[モスクワの地区裁判所に出廷するイワノフ氏=2024年4月24日](C)AFP=時事/MOSCOW CITY COURT PRESS SERVICE

 難航していたウクライナ、イスラエル、台湾への米国の緊急支援法案が上下両院で可決され、ジョー・バイデン大統領が4月24日に署名、成立した。ウクライナ向け援助は総額608億ドル(約9兆4000億円)で、これにより、半年間停滞した米国のウクライナ向け軍事援助が再開される。

 バイデン大統領は署名後の演説で、「われわれは同盟国から離れない。独裁者に屈しない」と強調。兵器の引き渡しが直ちに始まると述べた。大統領によれば、武器・弾薬の不足で劣勢に立たされていたウクライナ軍の東部前線では、下院可決のニュースに歓声が湧き上がったという。

 ウクライナ軍にとっては恵みの雨ながら、これによって不利な戦局を転換できるかは不透明だ。北大西洋条約機構(NATO)の介入拡大の動きもあり、戦況の泥沼化が一段と進む可能性もある。

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