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【前回まで】タウンミーティングと北朝鮮ミサイル迎撃の後、財務省の土岐は、上野で江島元総理に防衛費増額の財源を相談した。問題は国民の切迫感……。一方、周防は新潟へ。

 

Episode6 一世一代

 

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「本日の快挙を下支えしたのは、我々JAXAが開発したレーダーシステムです」

 新潟市内のホテルのコンベンションルームで始まった日本海連合の例会で、JAXAの宇宙科学研究所の北森文雄[きたもりふみお]が、パワーポイントを操作しながら説明すると、約200人の出席者から大きな歓声が上がった。

 会場にいた周防は、その盛り上がりに、東京とは明らかに異なる熱を感じた。

 北森が続ける。

「昨年、北朝鮮から飛来したミサイルの迎撃に失敗した後、我々と防衛装備庁はレーダーシステムの共同開発を促進してきました。実験的に新潟県柏崎市の沿岸部分に配備をしたのが、2週間前。それが、実戦で結果を残したわけです。

 本日は、皆さんにこの新しいレーダーシステムの性能をご説明し、一刻も早く日本全国の沿岸に配備すべきだと訴えるつもりで参上しました。しかし、もはや説明は不要ですね」

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