常識外れの高騰相場

高井「金の高騰が目覚ましい」

池水「円安も重なって過去では考えられない上昇となっている。かつて最安値だった時期は1グラム900円台の時代もあった。それが今や1万2000円を超えている。トレーダーとなった1986年以降、ゴールドは右肩下がりだった。中央銀行がそろって売りを出し、金利も生まない。なぜ金など持つのか、という世界で、実際のトレードでもショート(空売り)していればまず儲かるというマーケットだった」

高井「やはり平和な時代だった、ということではないか。冷戦が終わり、経済はグレート・モデレーション(大いなる安定)と言われた高成長・低インフレだった」

池水「ゴールドをたくさん持っていた西欧の中央銀行が1980年代、90年代に売りに回った。東西冷戦はなくなり、ドルの金利はざっくり言えば5%あった。ノーリスクで5%取れるのに、金利ももらえない、上がりもしないゴールドを持つ理由がない。そして中央銀行の資金運用担当者が私と同じ世代、『戦争を知らない子供たち』になり、ドライにゴールドよりドルを持っている方がいい、となった」

高井「中央銀行の金保有は金本位制の名残りだ」

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