連載小説 オペレーションF[フォース] 第72回
2024年7月6日

(C)時事[写真はイメージです]
【前回まで】財務省の周防は、新潟で日本海連合の例会に出席した。顔を合わせた作家の森永は、「防人税」のネーミングを褒めながら、政府や国民の危機意識の低さを心配する。
Episode6 一世一代
19(承前)
その時、日本海連合の事務局を担当している山科一平[やましないっぺい]に肩を叩かれた。
「ちょっといいかな?」
森永に改めて連絡すると告げて、周防は山科に続いた。
山科は、総務省の期待の星で、元国会議員だった知事から請われて新潟県に出向し、県活性化室の次長を務めている。
日本海連合を提案したのも山科で、周防も彼から求められて、事務局のミーティングや例会に参加していた。
「今日は、凄い盛り上がりだったな」
前を行く山科に声をかけながら、周防は横に並んだ。
175センチの周防より小柄で、痩身の山科は、実年齢より若く見える。
「いやあ、痺れたよ。よりによって今日、北朝鮮のミサイルが放たれ、それを見事に撃ち落としてくれたんだからね」
「これが弾みになればいいんだが」
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