
2023年の輸出台数をカテゴリ別に見ると、ICE(内燃機関車)は371万台であるのに対しNEV(新エネルギー車)は120万台にとどまる[2024年1月2日、中国・山東省煙台市](C)AFP=時事
2023年は中国自動車産業にとって、大きな転換点となった。3つの歴史的な転換点を同時に迎えた1年となったからだ。
▼日本を抜いて、輸出台数世界一に
▼NEV(新エネルギー車。BEV=純電気自動車、PHEV=プラグインハイブリッド、水素燃料電池車をあわせたカテゴリ)が自動車販売に占める比率が30%を突破
▼中国市場における中国ブランド自動車のシェアが初めて過半数を超えた
この3つの転換点はいずれも関連している。どのような構造からこの状況が生まれたのか、これを具体的に解き明かすことが本稿のテーマとなる。
実は自動車輸出の主力はガソリン車
まず輸出だが、世界一奪取は「じりじりと首位を追い上げていった」ものではなく、「2021年から爆発的に伸びた」結果である。ほぼ100万台前後で推移していた輸出台数が、あっという間に500万台を突破している(図1)。
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