
ウクライナによいる越境攻撃の前には「ロシアの攻撃が現在のペースを維持できるのはあと1~2カ月」との観測も出ていた[プーチン露大統領(左)とクルスク州知事アレクセイ・スミルノフのビデオ通話による遠隔会談=2024年8月8日、ロシア・モスクワ](C)AFP=時事
ロシア・ウクライナ戦争が急展開を見せています。ウクライナ軍によるロシア・クルスク地方への国境を越えた侵攻は、戦況に大きな転換をもたらすのか。ウクライナ軍は欧州向け天然ガスパイプラインの主要な設備がある国境近くの都市スジャをほぼ制圧し、国境から約60キロの地点にあるクルスク原発の占拠も狙っているとの見方もあります。
この越境攻撃と占領地確保を長期的に維持するなら、兵站確保など多くの難題が想定されます。それでもウクライナが思い切った行動に出た背景に、有利な戦況を作り出すことでロシアを和平協議に応じさせる思惑を想定しないわけには行きません。目下は戦況そのものについても詳しい情報が不足しており、海外メディアのアプローチも観測の域を出ませんが、戦争の行方を見通す上での基本的な論点は現時点でも概ね把握できるように思います。
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