三中全会「中国式現代化」の“分からなさ”は習近平式ガバナンスの重要ヒント
2024年8月15日
大方針を決め、中方針に下ろし、小方針により実施する「習近平式ガバナンス」。それはタイミングの勝負である市場経済に対応できるのか[2024年7月18日、中国・北京](C)EPA=時事
「隠したがり」体質が経済から受けている挑戦
中国で何が起こっているのかを正確に知るのは難しい。その1つの理由が、中国共産党の「隠したがり」体質のせいだ。中国共産党も、その師匠格のソ連共産党も革命政党であり、既存の巨大な政権、ソ連共産党の場合はロマノフ王朝、中国共産党の場合は中国国民党政権を打倒するために立ち上がった。当初は弱小集団であり、政権側の、秘密警察を含む強大な組織の圧迫を受けながら、生き延び、天下を取った。自分たちのことが外に漏れれば、命を取られる。そこで徹底的に秘密主義を貫いた。
中国共産党が天下を取った後も、この体質は変わらなかった。しかも、今でも、米国をはじめとする西側諸国が、中国共産党のガバナンスを平和裏に崩壊させる工作をしていると思い込んでいる。これが「和平演変」論なのだが、彼らの理解では、1989年の天安門事件も米国の策謀ということになる。それ故に中国共産党の「隠したがり」体質は、現在もまだ色濃く残っている。
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