肝心な問題をみんなで“ないこと”にする内輪感は、まさに「詰め合わせ」的と言うべきでは?[自民党総裁選のポスター](C)時事

 自民党総裁選が動き出した。岸田文雄首相が総裁選への不出馬を表明したことで、立候補に意欲を見せる議員が続出、現段階で10人を超える議員の名前が挙がっている。すでに小林鷹之・前経済安全保障担当相、石破茂・元幹事長、河野太郎・デジタル相が正式に出馬を表明し、小泉進次郎・元環境相や林芳正・官房長官なども立候補に動いている。事実上、総理大臣を決める選挙だけに注目度は高い。9月27日投開票で誰が総裁に選ばれることになるのか。

 最終的な決定権を握ることになる現職の自民党国会議員たちの「選択基準」は明確だ。特に衆議院議員は2025年秋に任期を迎えるため、それまでに総選挙が実施される。自民党に猛烈な逆風が吹く中で、選挙の「看板」として誰ならば国民の信頼をつなぎとめ、選挙に勝つことができるか。特に、次の総選挙は「派閥」が機能しない前代未聞の選挙になりそうで、議員たちは自らが当選するには誰が有利かを考えることになる。本来は重視されるべき経済政策や外交政策の実行力は、判断基準としては二の次になるに違いない。

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