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【前回まで】東京湾に落ちた北朝鮮のミサイル。総理の責務を果たせなかったとして、南郷は辞職を決意した。都倉に後任を迫るが固辞され、江島副総理と説得の方策を探る。

 

Episode7 独立独歩

 

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 仙台市長と戸増知事との面談を終えたところで、周防のスマホに土岐から着信があった。

 “おまえ、都倉防衛大臣と親しいよな”

「なんですか、いきなり」

 “俺の質問に答えろ。どうなんだ?”

「親しいというのは、語弊がありますが、まあ、それなりに。でも、土岐さんの方が、お親しいのでは?」

 “俺は単なるガイドだ”

 財政の基本から問題点、そして展望を、土岐は長年都倉にレクチャーし続けてきた。

 それは「単なるガイド」などという軽い立場ではないはずだが。

「私でお役に立てることなら、喜んで致しますが」

 “そうか。じゃあ、大至急、東京に戻ってきてくれ。官邸で待っている”

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