専用車の運転席に金正恩国務委員長が、助手席にショイグ安全保障会議書記が乗る(KCNA via KNS/AFP=時事)
 

 金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長による軍事関連の動静報道が目立つ1週間であった。9月8日付の第1面と第2面は、金正恩が呉振宇(オ・ジヌ)名称砲兵総合軍官学校を視察したとの報道であった。金正恩による同校への訪問は初めてと見られる。金日成(キム・イルソン)主席の弟の名が冠された金哲柱(キム・チョルジュ)砲兵総合軍官学校から現在の名称への変更が『労働新聞』上で確認されたのは2017年である。呉振宇は、1976年から1995年の死去まで人民武力部長(現在の国防相に該当)を務め、金日成、金正日(キム・ジョンイル)両政権を支えた重要人物であり、1992年には金正日とともに共和国元帥の称号を授与されている。息子の呉日晶(オ・イルジョン)は現在、朝鮮労働党軍政指導部長である。

 第3面は、海軍基地建設のための「現地了解」と国防工業企業所への現地指導、第4面は、船舶建造事業に対する現地指導についてそれぞれ報じた。

 9日には北朝鮮が建国76周年を迎えた。昨年や2021年には民兵による閲兵式が挙行されたことなどに比べると地味な祝われ方であった。同日付第1面は、金日成広場で慶祝集会と夜会が開催されたことを伝えたが、金正恩は不在であり、出席幹部としては金徳訓(キム・ドックン)、崔龍海(チェ・リョンヘ)の名だけが紹介された。錦繍山(クムスサン)太陽宮殿への参拝にも欠席である。

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