連載小説 オペレーションF[フォース] 第86回
2024年10月12日
【前回まで】直ちに北朝鮮に対して防衛出動発令を――都倉の要請に、南郷総理も江島副総理も反対する。開戦に繋がりかねない出動より、別の報復措置を考えるべきと言うのだ。
Episode7 独立独歩
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総理執務室を出たところで、都倉は江島に呼び止められた。
「都倉さん、ちょっと私の部屋に寄ってくれないか。できたら、磯部さんと樋口さんも、ご一緒に」
都倉は、各幕僚長に、先に市ヶ谷に引き上げ、準備を進めるように告げて、江島に従った。
副総理室には、土岐と周防も待っていた。
いったい何が始まるんだ。
「都倉大臣、ご無沙汰しております。どうしても、大臣にお伝えしたいことがあり、お時間を戴きました」
口火を切ったのが周防だったのにも、驚いた。
周防の操作で、楕円形のテーブルの先にある大型テレビに映像が映し出された。
澄み渡った青い空、そこに小さな点が現れたかと思うと……。
「周防、この映像をどこで?」
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