水位が低下してカッリオ村の建物が再び姿を現した。村は1980年に首都アテネの水需要を満たすため水没させられた[2024年9月3日](C)REUTERS/Stelios Misinas

[ギリシャ・モルノス湖発/ロイター]貯水湖として作られたモルノス湖は、200キロ離れた首都アテネで増加し続ける水の需要を満たすために作られ、ギリシャの人口の半数近くに水を供給している。だが、ギリシャ全土が降雪の非常に少ない冬、厳しい猛暑日が続いた夏、そして数カ月におよぶ雨不足に見舞われてきた結果、水位が過去数十年で最低の状態にまで干上がった。

 ドリダ自治体の市長ディミトリス・ジャンノプロス氏は、日に日に水位が下がっており、このような状態は過去33年間で見たことがないと証言する。

 カッリオ村は1980年、モルノス湖が作られた際に貯水湖の底へ沈んだ。「幻の村」と化し、今再び姿を現した村の跡地には、ひび割れた大地が広がり、貝殻の山の中にレンガが散見される。

ドローンによる撮影画像[2024年9月3日](C)REUTERS/Stelios Misinas

 ギリシャの乾燥した地中海性気候は、地球温暖化の影響を受けやすい。夏の山火事は悪化し、先月にはアテネの郊外にまで火が及んだ。研究者は、気候変動の影響による異常気象が湖の水位低下を加速させていると指摘する。

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