所沢駅東口に「グランエミオ」で西口には「エミテラス」、「駅ビルを2店も新設するのはアナクロ以外の何ものでもない」との指摘も[「エミテラス所沢」のオープニングセレモニーで撮影に応じる後藤会長(手前中央)ら=2024年9月24日、埼玉県所沢市](C)時事

 買い手の本命はシンガポール政府系投資ファンドのGIC、対抗はブラックストーンやKKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)といった米系ファンド、大穴は三井不動産やヒューリックなどの日本勢――。この数カ月、不動産業界関係者らの間で、寄ると触ると話のタネになる売却案件がある。「東京ガーデンテラス紀尾井町」(東京・千代田)。売り主はコロナ禍で経営が傾いた西武ホールディングス(HD)である。

 東京・紀尾井町の旧赤坂プリンスホテル新館(略称・赤プリ、後のグランドプリンスホテル赤坂)が惜しまれながら閉館したのは2011年3月31日。西武グループ創業一族の2代目・堤義明(90)が建築家・丹下健三(1913〜2005年)に設計を依頼し、1982年に竣工した地上40階建ての超高層ホテルは、ガラスとアルミのカーテンウオールで構築した外壁が印象的で「昭和バブル期の名建築」の1つと謳われた。

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