ヨーカ堂売却は対抗策として有効か――加クシュタール、セブン&アイ買収提案の「本当の狙い」
2024年10月7日

セブン&アイは買収提案への対抗と成長戦略の両立が出来るのか、極めて厳しいかじ取りを迫られることになる [記者会見するセブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長=2024年4月10日](C)時事
セブン&アイ・ホールディングスが、カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタール(ACT社)から買収提案を受けたというニュースは、正直、驚いた。
セブン&アイがコンビニ事業の収益に依存していて、百貨店事業(既に売却済みのそごう・西武)、スーパーストア事業などの低採算事業の立て直しが進まないことをアクティビスト株主などのステークホルダーから指摘され、株価にも影響があるという話は聞き及んでいた。ただ、さすがに日本の2大流通グループの1社が、正面から買収提案を受けたという事実はかなりインパクトがあった。
実際に今後、買収案件としてどのように進んでいくのかは、様々な説が飛び交っているのだが、ACT社はM&Aの歴戦の猛者であると聞くし、資金調達が整えば、敵対的買収に進む可能性も十分にあるのだろう。
割安銘柄にとって共通の危機
企業価値評価ではセブン&アイは割安という判断になる、ということは大前提なのだが、円安が160円にタッチした後、日米金利政策の影響から円高に戻しつつある、というのもこのタイミングとなった背景ではあろう。
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