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 レースは、自分自身に(そして世界に)、決断力と粘り強さ、大きな目標を達成できる能力を証明する素晴らしい方法であり、フォーチュン500企業のCEOのような人々がスタートラインに立つのも不思議ではない。

 ランニングシューズブランドを展開する米On(オン)のブリット・オルセンCOOはトレイルランニングへの情熱を語っており、米住宅金融大手ファニーメイのプリシラ・アルモドバーCEOは『Fortune』誌に「マラソンを3回、ハーフを数えきれないほど」走ったと語っている。

 レースは個人にとって有益であるだけでなく、経済的にも重要だ。ランナーたちによって集められる慈善団体への寄付金は数百万ドルに上る。ニューヨーク、ロンドン、ボストン、アムステルダムなどのマラソンをスポンサーするインドのテクノロジー企業タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)は、年間3000万~4000万ドルの契約金を支払っている。地元経済も恩恵を受ける。たとえば、スペインのバレンシアマラソンは2023年に約3130万ユーロ(約3470万ドル)の観光収入を生んだ。

 しかし、個人にとってランニングはどれほどのコストになるのだろうか。「ランニングは無料だ」というのは、バスに乗るために走ったことしかない人の言い分だ。確かに、1回のランには費用がかからないが、ランニングは決して安い趣味でない。ランニングコーチでありメンタルコーチのロニー・ステイトンは、「ランニングは少し金がかかりすぎだ」と語った。

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