
発射には金正恩国務委員長の「お子さま」も立ち会った(C)AFP=時事
朝鮮中央通信は、10月31日朝にICBM(大陸間弾道ミサイル)を発射した事実についての国防省代弁人発表を異例の速さで報じた。発射実験に立ち会った金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は、今回の発射は「意図的に地域情勢を激化させて共和国の安全を脅かしてきた敵どもに、われわれの対応意志を知らせることに徹底的に符合する適切な軍事行動」であり、「戦略的な攻撃兵力を不断に高度化している路程で必須の工程」だと説明付けた。示威活動であり、兵器開発の一環だということである。そもそもICBMは米国の「脅威」に対抗するためのものであるため、当然米国大統領選挙も意識した発射であったろうが、大局的には兵器開発の進捗に合わせた実験と考えるべきであろう。
今回のICBM発射実験の意味は、翌11月1日付『労働新聞』で3ページにわたってさらに詳しく説明された。発射した「火星砲19」型の最高高度は7687.5km、飛行距離1001.2km、飛行時間は5156秒(85分56秒)であり、日本海(「朝鮮東海」)公海上の「予定目標水域」に着弾したという。いつも通り「周辺国の安全にいかなる否定的影響も与えなかった」ことも付記された。
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