CIRCLE(タフツ大学)の分析によれば、今回の大統領選でZ世代女性は17ポイント差でハリスを支持したが、Z世代男性は14ポイント差でトランプを支持した[2024年8月30日、ペンシルベニア州ジョンズタウン](C)AFP=時事

 アメリカ大統領選は、共和党候補ドナルド・トランプが民主党候補カマラ・ハリスに勝利した。接戦となると見込まれていた激戦7州のすべてで勝利し、総獲得数でもハリスに200万超の差をつけた。

 今回の選挙でトランプは、民主党の伝統的な支持層を切り崩した。2016年大統領選でトランプの主要な支持層は白人労働者だったが、今回トランプは白人票を固めた上で、ヒスパニック系やアジア系、黒人などマイノリティの労働者の支持を広げた。とりわけヒスパニック系のトランプへの投票率は4割超に及び、5割超のハリスに迫る勢いだった1 。さらに今回共和党が新たな票田として発見することになったのは、Z世代(1990年代半ばから2010年代序盤生まれ)だ。

男女の支持候補に差異

 Z世代はアメリカ史上、人種的に最も多様な世代だ。上世代に比べ、気候変動や人権問題に関心を持ち、政治的な立場としては「リベラル」を自認し、共和党よりも民主党を支持する割合が高いと指摘されてきた2。2020年、アメリカ国内で人種平等を求めるブラック・ライブズ・マター運動(Black Lives Matter:BLM運動)が広がる中で行われた大統領選では、BLM運動への支持を鮮明にした民主党のジョー・バイデンは、Z世代の圧倒的な支持を獲得。2020年大統領選後の出口調査によれば、この年代の支持率でトランプに25ポイントもの大差をつけた。

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