トランプ「メキシコ叩き」が早くも激化、メキシコ側の対抗戦略と帰趨を握る要素とは
2024年11月28日

近年、米国に近いメキシコ北部に拠点を構える中国企業が徐々に増えている[G20サミットで握手を交わすシェインバウム大統領(左)と習近平国家主席=2024年11月18日、ブラジル・リオデジャネイロ/Mexico's Presidency press office](C)AFP=時事
第2次トランプ政権誕生で最も打撃を受ける国として、中国と並んで名前があがるのがメキシコである。ドナルド・トランプ氏がメキシコを叩く理由は主に3つ。第1に生産拠点のメキシコ移転による米国の産業空洞化、第2にメキシコを経由した不法移民の流入、第3にメキシコの犯罪組織による違法薬物の密輸である。トランプ氏は大統領選挙戦最終日の演説で、10月に就任したばかりのメキシコのクラウディア・シェインバウム大統領に向けて、米国へなだれを打って流入する不法移民と違法薬物を取り締まらなければ、メキシコからの輸入品に25%の関税をかけると宣言し、支持者から拍手喝采を浴びた。さらに11月25日にはSNSで、メキシコとカナダに就任初日に25%の関税を課す命令を出すと表明した。
原産地規則の大幅強化に続く関税引き上げ
関税引き上げは対米輸出依存率82.7%(2023年)のメキシコにとって脅威である。仮に25%の関税が実現すれば、メキシコ経済は大打撃を被るだろう。
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