石破首相の「融通無碍」は米中相手に通じるか
2024年12月3日

首相の「融通無碍な現実主義」は日本外交にとって吉と出るだろうか[=2024年11月18日、ブラジル・リオデジャネイロ](C)AFP=時事
たった5分で終わったトランプ氏との会話
電話はわずか5分間だった――。石破茂首相はドナルド・トランプ氏が大統領選に勝利した直後の日本時間11月7日に、お祝いの電話をした。
通訳を介すので、話したのは実質およそ2分。この電話の最大の目的は対面でいつ会うかの約束を取り付けること。時間が短かったのは、その約束ができた、もしくはそれに近い確証を日本側が得られたということだろう。
政府高官は「11月中旬のペルーやブラジルで開く国際会議の帰りに米国に立ち寄り、会談できる感触を得たのではないか」と解説する。対面で会談できると判断し、電話が短くなったのではないか、との推測だ。
政府内ではトランプ氏との対面での会談に備え、トランプ氏への「お土産」を用意するよう指示があったとの証言もある。トランプ氏はサービス精神がある分、発言は適当である。気分次第の要素も大きい。日本側が誤解してもおかしくない発言をしたのではないか。
首脳同士の電話協議に失敗は許されない。今回の首相とトランプ氏の電話もガチガチの想定問答で固めた。首相は協議後、記者団に「日米同盟をより高い次元、段階に引き上げていくことで一致した」と述べた。できるだけ早期に対面で会談することも確認したと明らかにした。
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