ショート動画は中国の老若男女に幅広く普及したが、かつての自由なネット掲示板(BBS)文化を懐かしむ声も[「抖音」はTikTokの中国国内向けサービス=2024年5月9日、中国・北京](C)EPA=時事

 1995年のWindows95の発売から数えれば、インターネットが世界に普及して約30年が経つ。インターネットの登場は社会に不可逆的な変化をもたらした。とりわけ中国は、世界各国で最もその影響が大きかった国のひとつだろう。

 2024年現在、中国のネット普及率は78%で、日本の86.2%と大きく変わらない。ネット未使用者の多くは、高齢者や子ども、もしくは極度の貧困層であると考えられ、一般的な現役世代の人々は誰もがネットに親しんでいる。

 現代中国人のネット使用用途の多くは、WeChat(LINEに似たチャットソフト)と、抖音(TikTokの中国国内向けサービス)のようなショート動画の視聴だ。日本におけるショート動画は若者中心のカルチャーだが、中国のショート動画利用者数はネット利用者の総数とイコールに近いとするデータが出ており、老若男女を問わず幅広く普及している。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。