2025年、軟弱地盤の国際秩序を揺さぶるトランプ流「戦術的関税政策」
2025年1月1日

メキシコとカナダに対して宣言した関税は、被害が深刻な薬物「フェンタニル」の流入経路となっている両国に取締りを迫る狙いがあるだろう[カナダを挑発するトランプ氏のSNS(Truth Social)より](C)時事
2024年は「選挙イヤー」と呼ばれる、大きな選挙が続いた年であり、また、様々な意味でサプライズの多い選挙結果が出た年でもあった。まずは、主要な選挙を一通りおさらいしておこう。
不安定な結果ばかり生まれた2024年選挙
1月の台湾総統選挙と立法院選挙では、総統選で民進党の頼清徳が勝利し、同一政党が3期連続で総統職に就くことになったが、立法院では国民党、民進党が共に過半数を取れず、8議席を獲得した民衆党がキャスティングボートを握ることになった。しかし、民衆党の党首である柯文哲は汚職事件で起訴され、係争中であり、有罪となれば民衆党の勢いは失われ、政治は混迷の状態となるだろう。
また、4月に行われた韓国の総選挙では、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の不人気も手伝い、300議席のうち、野党の「共に民主党」が175議席、また進歩系で「共に民主党」から分派した、曺国(チョ・グク)元法相が率いる「祖国革新党」が12議席と、野党が議席の3分の2に迫る勢いとなった。
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