存在感を増す新時代の中国シンクタンク

執筆者:佐々木れな2025年1月12日
シンクタンクは国際的な影響力拡大の一環としても重視され、習近平体制下で活発な設立運動が続いている(写真:中国社会科学院の公式サイトより)

 

習近平政権下のシンクタンク政策

 習近平政権下における中国のシンクタンク政策は、国家戦略の一環として「中国の特色ある新型シンクタンク」の構築を強力に推進することを目指している。中国共産党・中国政府は、1949年の中国科学院(CAS)の創設を皮切りに、政策研究機関や政府系シンクタンクを拡大してきたが、特に1978年の改革開放政策以降、大学や企業に属する「外脳」も本格的に登場した。

 2012年の第十八回中国共産党大会報告では、科学的・民主的・法に基づく政策決定のメカニズムと手順の改善を求め、シンクタンクの役割強化が提案された。2013年4月には習近平中国国家主席が「中国の特色ある新型シンクタンク」建設を指示し、シンクタンクの発展を国家戦略に引き上げ、科学的意思決定の支援、国家のソフトパワーの強化、さらなる役割拡大を求めた。また、習近平は、2014年にはドイツ訪問中にシンクタンク外交の強化を提唱し、シンクタンクが国家間の「第二のトラック」として国際交流に貢献する役割が期待された。

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