ラトビアに駐留するNATOのFLF(前方陸上部隊)に参加するため同国に上陸したスウェーデン軍。スウェーデン国旗とNATO旗を掲げている[2025年1月18日、ラトビア・リガ](C)EPA=時事

米国を最重要パートナーに位置づける

 米国でドナルド・トランプ氏が大統領に返り咲いた。大統領選でトランプ氏は、欧州の防衛について米国の負担が大きすぎると不満を露わにしていた。欧州のNATO(北大西洋条約機構)加盟国に対して防衛費の大幅な増額を要求しており、それを実行しない国には安全の供与を行わない可能性すら示している。これらの言動から欧州内では、米国が欧州の安全保障への関与を減らすのではないかとの懸念が高まっている。とはいえ、欧州の防衛において米国は重要な役割を担い続けているのも事実である。

 このように米欧関係の将来が不透明な中、NATO新規加盟国スウェーデンでは、2025年から2030年の間の防衛計画である「国防決定(försvarsbeslutet)」が2024年12月に議会で採択された。その要点は、スウェーデンによるNATOへの貢献である。スウェーデンは、自国の防衛力強化によってNATOの「北」の守りに貢献するだけでなく、米国が重視するグローバルな課題についても取り組む姿勢を示した。

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