America First? China for YOU!

Foresight World Watcher's 4 Tips

執筆者:フォーサイト編集部2025年2月9日
アメリカのいないCPTPPを主導する日豪との関係改善は、中国にとって重要な戦略[ホワイトハウスで会談する石破首相(左)とトランプ大統領=2025年2月7日、アメリカ・ワシントン](C)時事

 ドナルド・トランプ米大統領から「友好国、同盟国を100%守るため、米国の抑止力を提供して行く」との発言を引き出した日米首脳会談は、安全保障の面ではひとまず大きな成果を得ました。一方で懸念が拭えないのが経済問題。日本製鉄によるUSスチール買収の行方は、事実上、今後の日鉄‐トランプ大統領の直接交渉に持ち越されたと言えるでしょう。

 国際社会への影響の広がりという点で特に注目しておきたいのが、トランプ氏が共同会見で2月10日か11日にも発表すると発言した「相互関税」の導入です。貿易相手国が米国に課すのと同水準の関税をかけるというこの報復的な措置は、米国の巨大な国内市場をテコに使って相手に圧力をかける形になりますが、同時にもう一つの巨大市場である中国を利する危険性も孕むでしょう。中国にとっては、米国に代わる“使い勝手のよい”経済パワーとして、貿易相手国を引き寄せる好機にもなりえるように思います。

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