
シリア北部アレッポで2017年に撮影された写真にはオジャラン氏らの壁画が見えるが、2025年現在の影響力は未知数だ[2017年10月27日、シリア・アレッポのクルド人が多く住む地区]
与党連合・バフチェリ党首の衝撃的な発言
昨年10月22日、トルコではレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が党首を兼任する与党・公正発展党(AKP)政権と選挙協力の連合を組む(以下「与党連合」)民族主義行動党(MHP)のデヴレト・バフチェリ党首が、トルコ議会のMHP党内会議で突如度肝を抜く発言を行った。
1999年からマルマラ海のイムラル島刑務所において加重終身刑で服役中のクルド労働者党(PKK)元指導者アブドラ・オジャラン(76)の独房拘禁が解除された場合、議会に召喚してクルド系政党・人民平等民主党(DEM)党内会議で演説させ、テロ終焉とPKK解体を宣言させよというのだ(以下「バフチェリ発言」)。
バフチェリ発言は、後にこれに対する全面的支持を表明したエルドアン氏との合作だ。そこには、今年23年目に入るエルドアン政権の可能な限りの継続を狙う思惑が透けて見える。オジャラン服役囚(以下「オジャラン」)の釈放は果たして、テロ終焉の実現、そしてエルドアン政治の半恒久化に向けたウルトラCになるのか。バフチェリ発言の舞台裏とともに考察する。
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