多くのイスラエル人は、停戦が継続するためにはネタニヤフ首相が自身の政権維持を見通せる状況が不可欠であると認識している[共同記者会見するルビオ米国務長官(左)とネタニヤフ首相=2025年2月16日、イスラエル・エルサレム](C)AFP=時事

 2023年10月以来続いていたイスラエルとハマスによる軍事衝突が、2025年1月19日から2度目の停戦に入った。中東にとって、2025年のスタートとしては少しは明るい兆しのようにも思えるかもしれないが、イスラエルでは停戦の行方をめぐり政局を迎えており、ガザの安定を揺るがす事態となっている。

 停戦合意は3つのフェーズに分かれている。6週間の第1フェーズでは、イスラエルが軍事作戦を停止し、イスラエルの刑務所に拘束されているパレスチナ人を釈放する代わりに、ハマスはガザ地区で捉えられているイスラエル人などの人質の一部を解放することで合意した。そして、この第1フェーズの間に第2フェーズについて協議を進める。第2フェーズでは、恒久的な停戦に合意する代わりに、ハマス側は全ての生存する人質を解放し、イスラエル側はガザ地区から撤退する。第3フェーズではガザ地区の復興が大きなアジェンダとなっている。

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