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米トランプ政権とヨーロッパの軋轢が波紋を広げ続けています。イーロン・マスク氏が率いる衛星通信網「スターリンク」がウクライナで遮断されるとの報道については、マスク氏が自身のXで「This is false. 」と否定しましたが、こうしたリスクの存在そのものは無視できません。欧州メディアには米国に頼らない安全保障体制を確立せよとの議論が目立ちます。
一方で、米国とアジアの関係についてはどうなのか。トランプ外交の最重要テーマが中国への対抗にある限り、インド太平洋地域との連携強化は必須の前提です。しかし、国防長官就任前のピート・ヘグセス氏が米上院公聴会でASEAN(東南アジア諸国連合)の加盟国数を答えられなかったことが示唆するように、政権の意識からはこの地域との外交関係のデザインが抜け落ちている懸念も拭えません。英「エコノミスト」誌の伝えるオーストラリアの「見捨てられる不安(Fear of Abandonment)」は、トランプ政権の対中国シフトの危うい足元を示していそうです。
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