
2024年の中国は経済成長における輸出の割合が急上昇した[2025年3月4日、中国・北京の人民大会堂で行われた全国政治協商会議の開幕式に出席した習近平国家主席](C)AFP=時事
第二次トランプ政権誕生後の米中関係では何が主要テーマとなるのだろうか? さまざまなトピックがあるが、最大のテーマは「貿易不均衡」になるとにらんでいる。
2月21日、中国の何立峰(ホー・リーフォン)副首相と米国のスコット・ベッセント財務長官が電話会談を行った。この会談では何が焦点となったのか? 中国側は「中国に対する関税引き上げなどの制限措置に強く注目している」と申し入れたことを発表している。一方の米国側は「ドラッグ対策、貿易不均衡、不公平な政策」に懸念を表明した。この3点の順番はそのまま米国の優先順位を示しているとみていい。
「フェンタニル」などのドラッグ蔓延が米国では社会問題となり、大統領選でも主要な争点の一つとなった。有権者へのアピールとして、最優先事項にあげられているのは理解できる。それに続く第2のフォーカスが「貿易不均衡」なのだ。
「チャイナショック2.0」は過去とどう違うか
2024年、米国の貿易赤字は過去最大となる1兆2117億ドルを記録した。貿易赤字の最大の相手国は中国だ。そして、中国の貿易黒字もまた過去最高、9921億ドルを記録した。中国からあふれでる輸出の嵐は「チャイナショック2.0」の懸念を招いている。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。