米国による海外援助は文字通り中国のそれとは桁が違う[USAIDを解雇されたり休職扱いとなった人々が私物を回収しに15分だけ元職場に戻ることを許された。支持者とともに抗議集会を行う=2025年2月27日、アメリカ・ワシントン](C)EPA=時事

 ドナルド・トランプ米政権が、60年以上にわたって途上国の開発・人道・保健支援を担ってきた米国際開発庁(USAID)など海外援助の90日間の活動凍結を決めたことで、世界に激震が走った。「米国に頼るな」というトランプの世界へのメッセ―ジは一貫しているのだが、世界最大の開発・人道援助国である米国の活動縮小でできる空白を中国が埋めるとの観測が広がる。それは本当だろうか。

日本が250億円を支出したカンボジア地雷事業の曲がり角

 アジアの援助コミュニティーを驚かせたのが、米国の援助凍結の直後にカンボジアの地雷処理センター(CMAC)が中国からの440万ドル(約6億6000万円)の資金拠出を得たとのニュースだ。トランプ政権の国務省武器除去支援室は1月25日からカンボジアの地雷処理事業への資金と活動を停止、CMACは210人の要員をレイオフしカンボジア国内8州での活動を止めた。CMACは米政府から昨年の200万ドルを受け取っていたという。

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