歴史を振り返ると、国会の会期末を控えた内閣不信任案は波乱を呼ぶことが多い[参議院予算委員会で答弁する石破総理=2025年3月17日](C)時事

 3月13日深夜、石破茂総理大臣の居住スペースがある総理公邸は常にない緊張感に包まれていた。取り巻く記者団に笑みを浮かべながらマイクの前に立った石破は、手に取ったノートに目をやりながら滔々とコメントを読み上げた。

石破「3月3日に当選1回の衆院議員と会食をしたが、それに先立ち出席議員の事務所に商品券をお届けしました。これは会食のお土産代わりにご家族へのねぎらいの観点から私のポケットマネーで用意したものであります」

 石破が自民党の1回生議員らに10万円相当の商品券を配布したというニュースは、13日夜、ほとんどの新聞(ネットで)・テレビが報じた。その火消しのため石破は異例といえる深夜の緊急会見を開いたのだ。石破は「法律に触れるものではない」ことを繰り返し強調した。

「石破おまえもか」

 しかし、裏金事件で攻められ続けている自民党の総裁として、10万円相当もの商品券を配ったという行為そのものが常識外れ、軽率のそしりは免れないだろう。ただ、筆者がそれ以上に総理の資質に疑問を感じたのは会見での記者との次のやりとりだった。

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