戦場にはAI兵器が次々と投入されており、完全自律型攻撃ドローンも出現間近と見られる[ガザ市上空を飛行するイスラエル空軍の無人航空機=2025年3月18日](C)AFP=時事

すでに実戦で使用されているAI兵器

 2022年2月に勃発したロシア・ウクライナ戦争は、3年を過ぎ、なお継続中である。2023年10月に再発したイスラエル・ハマス戦争は、恒久的な停戦合意に達していない。それらの戦場では、実験場の如く、新たな技術や兵器が大量に投入されてきた。AI(人工知能)もそうである。たとえば、AIの意思決定支援システム(AI-DSS)として、ウクライナ軍はAIが敵・味方の戦況のビッグ・データを基に効率的な攻撃法を提言する「ゴッサム」システムを、イスラエル軍はAIが物的標的をリスト化する「ハブソラ」システム、人的標的をリスト化する「ラベンダー」システムおよびその人的標的を追跡する「パパはどこ?」システムを活用している。

 さらに、ウクライナ軍は、2023年9月以降、機械学習に基づき、戦車・兵員輸送車などの装備を含む64種類の軍事標的を識別できるAI視覚ソフトウェア搭載のウクライナ・セイカー社のスカウト・ドローンを投入している。しかも、それは、偵察モードだけでなく、攻撃モードで小規模ながら実際に自律攻撃をしたという。その自律能力を疑問視する意見もあるが、完全自律型攻撃ドローンが出現間近なことだけは確かである。

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