
大統領はこの日を「解放の日(Liberation Day)」と名付けた[署名済みの大統領令を掲げるトランプ大統領=2025年4月2日、アメリカ・ワシントンDCのホワイトハウス](C)EPA=時事
「約束し、約束を守る」――2024年11月6日、2024年米大統領選での勝利演説で、共和党のドナルド・トランプ候補が有権者に投げかけた言葉である。その言葉に違わず、トランプ氏は大統領就任後、着々と公約を実行してきた。不法移民の取り締まり強化、米連邦政府の歳出削減、ロシア・ウクライナ戦争の終結を目指した交渉……4月2日は、そこに「相互関税」が加わった。
演説会場となったローズガーデンは、記者や製造業関係者などで埋め尽くされ、星条旗がひしめき、「米国を再び豊かに」と名付けられたイベント名にふさわしい熱気に満ちていた。トランプ氏が登場すると、会場からは歓声が湧き、固唾を呑んで東京で画面を見守っていた筆者との温度差が感じられた。相互関税の会見の開始時間は当初、現地時間午後3時の予定だったところ、午後4時という米株市場の引け後に後ろ倒しされたため、筆者としては不穏な空気を読み取らずにはいられなかった。
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