
米ボーイング社とスウェーデン・サーブ社が共同開発したT-7Aだが、現時点で採用したのは米空軍だけだ[ドバイ・エアショーで展示されたT-7Aのモックアップ=2021年11月14日](C)AFP=時事
故・安倍晋三総理は第1次トランプ政権(2017~2021)と巧みに付き合うことに成功した。ディールを旨とするドナルド・トランプ大統領に対して安倍総理が切ったカードのひとつに、米国製兵器の購入がある。具体的には2018年末、当時すでに42機を購入予定だった最新鋭ステルス戦闘機F-35について、追加で105機の購入を決定した。これが「バイ・アメリカン」を求めるトランプ氏を納得させる大きな要因になった。
この逸話の再現となるか、航空自衛隊の「次期ジェット練習機」の選定問題がにわかに注目を浴びている。現在空自が使用している純国産のジェット練習機T-4は、ブルーインパルスなども使用する名機だ。しかし、初飛行が1985年という旧式機ゆえ、防衛省は新型機の導入を目指し、防衛産業各社にRFI(情報提供依頼)を行っている。
これに対し、T-4の開発主体だった川崎重工は、米ボーイング社とスウェーデン・サーブ社製が共同開発したT-7Aのライセンス生産を提案。ライバルの三菱重工も、イタリアの防衛大手レオナルド社(※正確には同社の子会社アレーニア・アエルマッキ)製のM-346をベースにした新機種開発を提案した。
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