トランプ支持者の救世主? ベッセント米財務長官のチャンスと義務

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執筆者:フォーサイト編集部2025年4月20日
ベッセント氏ほど両義的で複雑な人物は珍しい[2025年4月9日、アメリカ・ワシントンDC](C)REUTERS/Nathan Howard

 米トランプ政権の経済・外交運営で、スコット・ベッセント財務長官の存在感がひときわ高まってきています。関税をめぐる日米交渉も米側はベッセント氏が主導し、24日には米ワシントンにおいて為替問題で加藤勝信財務相と会談の見通しです。

 今週後半に署名されるというウクライナとの資源協定についてもベッセント氏の所管になっているようです。同協定は単に資源にとどまらず、背後にはウクライナに対する安全保障の提供とそれへの対価の問題があります。ベッセント氏は3月6日にニューヨーク経済クラブで行った演説で「米国は巨大な需要を提供し、世界平和の裁定者としての役割を果たしたが、十分な補償を受けられなかった」との見解を示していますが、「安全保障のコスト回収」が第2次トランプ政権の大きなテーマだとすれば、経済閣僚がその実現に大きな役割を果たすのも必然と言えるかもしれません。

 ベッセント氏の掲げる「国際経済関係の再構築プロセス」については、毎週金曜に公開している連載コーナー「トランプ大統領の発言とアクション」(ストリート・インサイツ代表取締役の安田佐和子氏執筆)の最新回をご一読いただければと思いますが、今回の本欄ではベッセント氏の人物像や関係者の評価などにも注目して記事ピックアップを行いました。

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