「驚きの教皇」フランシスコが国際政治に遺したもの

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執筆者:フォーサイト編集部2025年4月27日
葬儀に先立って米-ウクライナの協議も行われた[トランプ米大統領(左)とウクライナのゼレンスキー大統領=2025年4月26日、バチカン](C)AFP=時事/UKRAINIAN FOREIGN MINISTRY

 ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇の葬儀が26日、バチカンで行われました。葬儀には160を超える国・地域から外交団が参列し、集まった国家元首は約50人を数えたと伝えられます。

 葬儀の傍らで進められた弔問外交も多数。もっとも注目されたのは、2月の米ワシントンで口論を繰り広げたウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領とドナルド・トランプ米大統領の再会でしょう。サンピエトロ大聖堂での膝詰め会談で何が話し合われたかは未発表ですが、ホワイトハウス当局者は「非常に生産的な協議」だったと述べています。

 カトリック教徒は世界で14億人を超えるとされ、その8割近くは欧州以外の地に住みます。アルゼンチン生まれのフランシスコは、南米出身者で初の教皇(そもそも、8世紀のグレゴリウス3世以来、1272年ぶりの非欧州出身の教皇)であり、イスラム教発祥の地であるアラビア半島を教皇として初めて訪問するなど、カトリックの「脱・欧州中心」を進めたとされます。

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