
イランはロシア、中国との連携を図りながら核問題の交渉に臨んでいる[オマーン・マスカットに到着したイランのアラーグチー外相(右)=2025年4月25日](C)AFP=時事 / HO / IRANIAN FOREIGN MINISTRY
米国とイランの間で、にわかに外交が動き出している。
ガザ、ウクライナの停戦仲介も担当する米国のスティーブ・ウィットコフ中東特使は、多忙なスケジュールの合間を縫って4月12日にイランのアッバース・アラーグチー外相とオマーンにて会談した。協議はイランの主張によりオマーンの外相を仲介に入れた間接交渉の形式で行われたが、米・イランとも前向きかつ建設的な議論がなされたと協議を肯定的に評価した。
ウィットコフ特使とアラーグチー外相は1回目の協議の翌週の19日に2度目の協議をローマで実施、26日には3度目となる協議をオマーンで実施したが、26日は専門家による技術協議も同時に行われ、細部に関する交渉も始められた。第4回の協議は5月3日に予定されているが、唐突に始まった米・イラン間の協議がハイペースで進んでいるのは、それぞれ国内で政治的な調整が必要ないくらい両者の間に意見の相違がなく、合意の締結に向けて双方に熱意があることを示していよう。ドナルド・トランプ政権の高官とイラン政府の高官が核問題について協議するのは、第一次トランプ政権期(2017-2021年)を含めてこれが初めてのことである。
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