「ガザの西岸化と西岸のガザ化」がイスラエルの対パレスチナ政策の基本
2025年5月1日
2023年の「10・7」の直後からのイスラエルのガザ攻撃の戦争目的が何であるかは、議論になってきた。表向きの「人質の奪還、ハマースの殲滅」といった短期的目標がイスラエルの軍事的及び政治的な目標の全貌を表していないことは明らかである。
3月にイスラエル紙『ハアレツ』が報じたように(多くが薄々と感じていたことではあるが)、イスラエルは長期間にわたるガザの占領と軍政を計画しているようだ。
その証左は、ネツァリーム回廊の再占領である。イスラエル軍は2023年10月7日のハマースの越境攻撃を受けて開始したガザ攻撃において、イスラエルとの境界に近い領域を広範に破壊し緩衝地帯にすると共に、ネツァリーム回廊に代表される軍事占領の回廊を作り、ガザを分断した。
2025年1月19日に発効した一時停戦合意を受けてイスラエル軍は2月9日までにネツァリーム回廊から撤退したが、3月19日に再びこれを占領している。
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