韓国次期大統領の最有力、李在明氏「反日撤回」のリアルな事情
2025年5月15日

徴用工問題も“卓袱台返し”は想定しにくい[支持者を前にポーズをとる李在明氏=2025年5月12日、韓国・ソウル](C)AFP=時事
韓国次期大統領の最有力候補となっている共に民主党(以下、民主党)の李在明前代表は、はたして「反日」なのか否か。本人と民主党は最近、過去の言動から持たれている「反日イメージ」を打ち消すことに一生懸命だ。ただ民主党所属の文在寅(ムン・ジェイン)政権期に「最悪」とまで評された日韓関係の記憶が残る日本側では、「文氏の再来になるのでは」という疑念が根強い。実際のところ、どうなのだろうか。
保守与党は四分五裂で選挙戦に突入
まずは選挙の展望について簡単に見ておこう。大統領選は6月3日に投開票される。通常なら、新大統領の就任まで2カ月ほどの準備期間がある。だが尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の罷免によって大統領不在となっている今回は、4日未明とみられる開票終了と同時に任期が始まる。同日午前に就任式が開かれて政権発足だ。
李氏にはさまざまな疑惑が持たれており、5件の刑事裁判で被告となっている。罰金100万ウォン(約10万円)以上の刑が確定すれば被選挙権を失う公選法違反事件では、無罪とした高裁判決を破棄差し戻しとする大法院(最高裁)の判決が5月1日に出てもいる。ただ、やり直し裁判が大統領選までに確定する可能性は当初からほぼゼロと見られていた。大法院長の弾劾訴追をちらつかせて司法を圧迫するかのような民主党の姿勢は批判されているものの、選挙結果を左右することにはならなそうだ。
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