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 長野光と関瑶子のビデオクリエイター・ユニットが、現代のキーワードを掘り下げるYouTubeチャンネル「Point Alpha」。今回は、ペロブスカイト太陽電池の開発経緯や競合技術、デメリットについて、産業技術総合研究所ペロブスカイト太陽電池研究チーム長の村上拓郎氏に話を聞いた。 ※主な発言を抜粋・編集してあります。

桐蔭横浜大学の挑戦

——ペロブスカイト太陽電池の開発経緯を教えてください。

「ペロブスカイト太陽電池は、色素増感太陽電池と呼ばれる太陽電池の開発が原点です。結晶シリコン太陽電池では、シリコン層を発電層としていますが、色素増感太陽電池は色素が光を電子に変えて発電します。1990年代から2010年代頃まで、実用化を目指した開発が盛んに行われてきました」

「そもそも、色素増感太陽電池開発のモチベーションは、結晶シリコン太陽電池よりも安価な太陽電池を開発することにありました。色素増感太陽電池の内部には電解液という液体が入っています。電解液の外部への漏出が実用化を妨げる大きな障壁となっていました」

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