トランプ政権を支える主要メンバーには、バンス副大統領(左から2人目)やミラー次席補佐官(後列右から2人目)など、ミレニアル世代が多く含まれる[トランプ大統領とエルサルバドルのナイブ・ブケレ大統領の二国間会談にて=2025年4月14日、米国・ワシントンDC](C)AFP=時事

 一律関税をはじめトランプ政権の過激な政策は、米国という国の「大きくスイングする性格」を象徴している。20年前には中東民主化を宣言してアフガニスタン、イラクと息せき切って軍事侵攻に踏み切り現地政権を次々と打倒したのに、今や「他国がどうなろうと我々には関係ない」と手を引く。1990年代にはグローバル化の恩恵で永久的な景気拡大「ニューエコノミー」を享受すると誇ったのに、今は米国と世界の経済システムは「持続不可能」と宣言して、独善的な改革に走る。初の黒人大統領バラク・オバマに熱狂した「変わるアメリカ」は、「白人主義」とも一部で言われるドナルド・トランプを2度選び、退行にも見える国家改造を目指す。改革へのファナティックな熱意は米国の特性なのだが、それにしてもなぜこれほどスイングするのか。一つの解析は新世代の出現による古いシステムに対する破壊欲求と言えよう。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。