6月24日に撮影されたフォルドゥ燃料濃縮施設の衛星写真。施設入口へと通じる道路に空爆によるクレーターが確認できる SATELLITE IMAGE(C)2025 MAXAR TECHNOLOGIES / AFP=時事

 イランの国家安全保障最高評議会は、6月24日、イランが勝利を勝ち取ったと宣言することで、事実上、ドナルド・トランプ米大統領が米東部時間23日に発表した停戦の宣言を受け入れた。

 22日に実行された米国によるイラン核施設への攻撃に対する報復として、イランは投下されたバンカーバスターと同数(14発)のミサイルをカタールのアル・ウデイド米軍基地に打ち込んだが、これをもってエスカレーションを回避した。米国にミサイル発射を事前通告するという、実にイラン的な高等な歌舞伎芝居付きであった。

 イランとしては、トランプ大統領が差し伸べる停戦のオファーを、イランの勝利として演出した上で受け入れることが、自らの体制維持のためにベストな選択と判断したのであろう。

 もっとも、イランは停戦が成立する直前にもイスラエル南部のベルシェバなどにミサイルを打ち込み多くの損害を与え、最後まで攻勢姿勢を見せつけた。

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