十回目を迎えたフランスの「ジャパンエキスポ」は今年も大盛況。日本ブームを「外交力」に結びつけるためには――。[パリ発]今年もパリに日本の夏がやって来た。七月はじめパリ郊外ノール・ヴィルパントで、今年で十回目となる日本ポップカルチャー見本市「ジャパンエキスポ(Japan Expo)」が開催された。コスプレの若い男女が、まさにマンガ・アニメからそっくり抜け出した格好で会場を闊歩する。もともと日本のマンガ・アニメの主人公たちの体型は欧米人の足長八頭身から来たものが多いので、思わずはっとするような少年少女も発見する。忍者マンガ「ナルト」の人気は今年も健在で、去年同様に会場の真ん中に大きな看板が出ていた。ヴィルパントの広い会場が文字通り夏の暑さと若い人いきれで三十分も立っていると眩暈がしそうなくらいの熱気に包まれていたが、ここでは日本が主人公であるだけに悪い気はしない。 今年は、例年参加している日本政府観光局のビジット・ジャパン・キャンペーン、自治体国際化協会のブースに加えて、外務省・経済産業省が積極的な支援体制をとったこともあり、日本のマスコミもこれまでにない関心の高さを示した。外務省の「カワイイ大使」の二人が参加したトークショーやサイン会、ラ・フォーレ原宿と協力した「日本のヤングファッションショー」、経産省のコンテンツ産業紹介を目的としたマンガなどの見本市「コ・フェスタ」のブースもにぎわっていた。フランス人の本職モデルがカワイイ大使と一緒にキティちゃんファッションでステージを歩いたときは、筆者もさすがに時代の変化を痛感せざるをえなかった。国際交流基金が有する世界最大規模の文化センターであるパリ日本文化会館でも同様のファッションショー、アニメ放映、原作者のトークショーなどが企画された。

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