ドイツの病院では外国出身の医師・看護師などの採用が増えている(ノルトライン=ヴェストファーレン州にあるギュータースロー病院のインスタグラムより)

 2025年3月、日本全国で医療・介護従事者が、人員の配置基準の見直しや労働環境の改善、賃上げを求めて一斉ストライキをした。背景には、深刻な人手不足に伴う労働環境の悪化がある。

 一方、日本と同様に高齢化が進み、医療従事者が不足するドイツでは、外国から有資格者が積極的に採用されている。すでに医師の4分の1、看護人材の3分の1を移民的背景のある人が占め、純粋なドイツ人だけでは現場を回せないのが実情だ。

外国人医師が全体の15%に

 ドイツでも高齢化に伴って医療や介護のニーズが高まる一方、ベビーブーマー世代(一般的に1956〜1965年生まれ)の一斉定年退職が進んでおり、医療従事者不足が問題になっている。独雇用研究所の調査によると現在、ドイツでは1.5万人以上の医師が不足し、法的健康保険医師中央研究所は2040年までに約3万〜5万人の医師が不足すると推計する。看護・介護人材についても、独連邦統計局は2049年までに28万人から69万人の看護・介護人材が不足すると予想する。

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