情報機関が提供できる「最高のサービス」とは?

Foresight World Watcher's 4 Tips

執筆者:フォーサイト編集部2025年7月6日

 こんなこと上から言われたらたまらないと思う読者も多いはず。イスラエルによるイラン攻撃に米国も連携するかが焦点だった6月17日、トゥルシ・ギャバード国家情報長官が以前に「イランの核兵器開発は停止している」と議会証言したことについて問われたドナルド・トランプ大統領は、「彼女が何を言おうと気にしない」と切り捨てました。

 これに続いたのは「 I think they were very close to having a weapon(イランは武器を持つのに非常に近いと思う)」。米国全17の情報機関を統括し、情報の調整と大統領への報告を行う国家情報長官の認識よりも、自身の諜報認識を優先させた格好です。

 都合のよい情報しか入らず大局を見誤るのは、権威主義的な指導者が陥りがちな落とし穴です。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にはウクライナへの本格侵攻を短期間で完了できると誤算したとされますが、米国の方も危ういのでは……そんな認識が伝わってくる論考が、二大国際関係・外交政策専門誌フォーリン・アフェアーズ(FA)とフォーリン・ポリシー(FP)に並びました。

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