佐賀空港へのオスプレイ配備に反対運動も起きる中、配備を受け入れた佐賀市は地元企業の受注機会拡大を要望した[新設された陸上自衛隊佐賀駐屯地の看板除幕式=2025年7月9日、佐賀市](C)時事

全国260カ所の基地を維持できるか

 自衛隊員の数は日本の若年人口に比例して減少の一途を辿っており、石破茂政権下で様々な処遇改善策が打ち出されているにもかかわらず、今年6月には4年連続で充足率が減少し、25年ぶりに9割を切ったことが報じられた1

 一方、同月には中国海軍の空母2隻が同時に太平洋上で活動したことが確認されたのみならず、警戒監視にあたっていた海上自衛隊のP-3C哨戒機に80分間にわたって艦載機が異常接近した2。統合幕僚監部の発表によれば、中国もしくはロシアの海軍艦艇が日本周辺で活動し、自衛隊が警戒監視にあたった回数は、2024年度で合計118回(中国74回、ロシア44回)にも上る(なお、対領空侵犯措置は704回)。

 また、自衛隊が参加した多国間の共同訓練は2023年度に56回を数え、現在の運用体制になった2006年比で18倍に増加した。内容も高度な連携が必要となる「戦術・戦闘」の項目を含む訓練が2010年代から増え、2023年は全体の64%を占めている3。同年は災害派遣も387回あり、約1万3000人を投入している4

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