「ガードレール」としてのMAGAと「12日戦争」の政治学
2025年7月29日
イラン空爆は必ず「一度きり(“one and done”)」のオペーレーションにしなければならなかった[軍関係者とその家族向けのピクニックイベントに出席したトランプ大統領=2025年7月4日、アメリカ・ワシントンDCのホワイトハウス南庭](C)AFP=時事
12日戦争は、2023年10月7日のハマスによる対イスラエル・テロ攻撃以降の中東地域の激動に一つの区切りをつけるものだ。この一年半の間に、イランの覇権主義的動きに歯止めがかかる一方、イスラエルは地域全体に戦力を投射する能力を確立し、地域の戦略地図は一変した。
同時にこの戦争において、米国は中東地域でイラク戦争以来初めてとなる本格的軍事行動に踏み切った。米国内には、今回の行動を米国の抑止力を回復するものとして歓迎する声もあるが、イラン攻撃に至るまでのドナルド・トランプ大統領の言動は、交渉と軍事介入の間で揺れ動いた。そしてその背景には米国の対外的な軍事介入に反対するMAGA運動の圧力が指摘されている。
本稿では、トランプによる決断の政治的背景を分析するとともに、米国による対外的関与の今後の在り方にどのような意味合いを持つのか、考察してみた。
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