石破総理が人事でいま最も頭を悩ませているのが、“影の総理”と目される森山幹事長の処遇だ[首相官邸に入る石破茂首相=2025年8月27日](C)時事

支持率の急回復に困惑

「このままズルズルといまの状態が続けば自民党は本当に無くなってしまう」 
自民党の総裁選前倒しを巡る方向性が一向に定まらない中、関係者の一人は危機感を込めてこう語った。

 自民党の総裁選挙管理委員会は8月27日、党内から要求が上がる総裁選前倒しについて協議し、賛成する議員の氏名を公表することを決めた。

 前倒しには党所属の国会議員295人と47都道府県連代表の計342の過半数である172の賛成が必要だ。この決定に自民党内からは波紋が広がった。

「いまさら実名にしたところで流れは変わらない。前倒しして石破さんご本人も出馬すればいい」(自民党所属議員=反石破派)

「実名ということになると少し考えなければいけない。党内の動きを見極めることも必要になってくる」(自民党所属議員=様子見的立場)

 8月8日に開かれた自民党両院議員総会で、森山裕幹事長ら執行部は総裁選前倒しの是非について選挙管理委員会に諮ることを決めた。この時の雰囲気は「出席者の7割程度は前倒しに賛成」(自民党関係者)だったが、あれから3週間を経て空気感はだいぶ変わってきた。

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